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日本でも受け入れられるインドカレーを考案
「ようこそ、さあさあ、どうぞ」 鎌倉には、山が間近に迫った「谷戸」と呼ばれる独特の谷間があちこちに見られますが、その谷戸の一角にアナンさんの家はあります。しかも、そこは築80年を迎えたすばらしい古民家!うかがった日は、縁側や室内にインドの衣料がずらりと並んでいました。 「中に入って見ていってください。これもちょっと食べてみて」と、よい匂いのする料理も運ばれてきました。
アナンさんはインド・ムンバイの生まれ。8歳のとき、父の事業で来日し、インドの大学に進んだのち、再び日本に戻ってきました。インドで採れた水産品を日本へ輸出する仕事に携わっていましたが、1979年に、カレーやスパイスを日本に輸入してほしいという話が舞い込み、扱うようになります。 はじめは業務用として輸入していましたが、その後、瓶詰めのカレー粉なら扱いたいというデパートの要望で、瓶詰め商品を開発。1983年には、大阪で行われた世界グルメオリンピック大会でインドナショナルチームとして参加し、「日本風カレー」を提供して見事金賞に輝きます。 そこからアナンさんは、複数のスパイスを調合した、簡単に本格インドカレーが料理できる「カレーブック」なる食材キットを考案することになりました。 インドカレーが食べたくても、何をどう使えばいいのか、おいしくするにはどんな工夫が必要なのか、作ったことがなければ見当がつかないものです。でもキットになっていれば手軽で失敗もなし。なるほど、このアイデアは秀逸。ほかにチャイ(インド風ミルクティー)やカレーディップのキットもあります。 私は健康な体をつくる“建築家”
「カレーを食べたい、チャイを飲みたい。だけど葉っぱがない、スパイスがない、何を入れていいか分からない。だから必要なものを入れて、本の形にして作り方を書いただけ。ただ便利さを提供しているの」 カレーそのものは昔からあるもの、だからオリジナルアイデアではないと謙遜するアナンさんですが、このキットを活用して、それぞれが工夫して食べてほしいと考えます。「一人ひとりの違った味を、こうしたキットをもとに作ることができます。何かを足したり、組み合わせを楽しんだり」 たとえばこの日、アナンさんが振る舞ってくれたのは、ゆでた豆腐やキャベツと合わせたカレーディップでした。これが意外なほど好相性。「豆腐は日本の食べ物ですが、インドのものと組み合わせたアレンジもできるんですよ」 この仕事を始めて30年近くが経とうとしています。アナンさんは、ぜひSTAGE世代(特に男性!)には、台所に入って作ってみてほしいと話します。
もちろん、それは体にやさしい食材であれば、どんなものでもいいのです。それを活用してコミュニケーションすることが大切だと、アナンさん。そして、体によいものを選りすぐって提供することにも誇りをもっています。 「私もある意味、建築家なんです。私が扱っているものは体をつくる材料。どんなものを入れるかによって、どんな体ができるかが決まるんですから」 この家で、アナンさんは次の活動を広げていきたいと語ります。その話は次回に譲ることにしましょう。 |
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