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環境と食べ物を中心に未来につながる活動を
本格インドカレーを手軽に作ることができる商品を開発し、日本にインドの風を届けているアナン・メタさん。家族とともに、鎌倉の築80年の見事な古民家にお住まいですが、この家でアナンさんは未来につながる活動を広げていこうとしています。 「インドの"カディ"という衣料の展示会をしたり、ヨガの体験教室も開いていきます。来てくれた人たちには、野菜と豆を使った料理を振る舞ってね。"環境"と"食べ物"をメインテーマに、イベントを仕掛けていきたいんです」
訪ねた日は、"カディ"の展示会の真っ最中でした。カディとは、インドに伝わる伝統工芸品で、自分たちの手で糸を紡ぎ、手で織って作った純綿布のこと。上着やズボン、スカートもあれば、ショールやバッグまで作られています。インド独立の父、マハトマ・ガンジーが提唱した「スワデシ運動」の一環で、カディの製法が復元され、それがきっかけで独立運動の気運は高まったのだそうです。 このカディからも、アナンさんは「環境」について考えてほしいと言います。 「シャツ1枚作るにも、たくさんのエネルギーが使われている。10枚持っていたら、そのうちの1枚を、手で紡いで、手で織ったシャツにする。そうすれば、環境にやさしいことが無理なくできるでしょ」 そして、カディを求めた人に差し出すのは、インドの新聞紙をリサイクルして作った紙のバッグ。洒落ていて、軽い衣服なら入れても十分な安定感です。インド・デリーのストリートチルドレンが自立するためにNPO 法人が支援しているのだとか。小さなことだけれど、環境のためにできるエコ活動はさまざまあるのです。 自分の力でまわりを美しくする方法を考えよそんなアナンさんも、若い頃は、「そのうち誰か解決してくれる人が現れるだろう、何も自分が苦労しなくてもいいだろう」と、他人事のように思っていたそうです。
しかし、時間的なゆとりができ、人間として円熟味が増した今、それでは何も変わらないと自ら率先してできることを行い、多くの人に意識を持ってもらいたいという思いを強くしています。 「メティー茶というスパイス入りのお茶は、煮だした葉っぱも料理に混ぜて食べてしまいます。ティーバッグと違って、ゴミが出ない。そうやって、100gでも1kgでもゴミを減らす努力を、一人ひとりがすれば、すごく大きな力になる」 そういえば、日本でも昔は、茶殻を掃除に利用したり、植物の肥料にしたりと、ゴミにせずに使いきっていましたっけ。日本の着物だって、ほどいて作り直すことが何度も可能な、究極のリサイクル衣料でもあります。 私たちはいつの間にか、便利さと引き替えに、目に見えないのをいいことに、大量のエネルギーを使うことに慣れてしまったのだと、アナンさんとの話で気づかされました。 「どこにいても、自分の力でまわりを美しくすることはできます。ゴミが落ちていたら拾って持って帰るとか、ペットを飼うなら捨てられて処分されそうな動物たちから飼うことにするとか」 アナンさんはまた、鎌倉市内の小・中学校の子どもたちに、こうした食や環境への思いを伝えるレクチャーも行っています。
インドの料理や衣料をきっかけに、自分たちの足元の暮らしを、少し違った視点から見直してみるのもいいかもしれません。そして同時に、遠い国が少し身近に感じられるとしたら、ちょっと楽しくもありませんか。 アナンさんは、息子バラッツさんら家族とともに、この鎌倉の古民家からインドの風を届けていきます。 |
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