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トップページ > エンターテイメント > エンターテイメント インタビュー > 「いい顔」「魅力的な顔」って何ですか?“顔”から考える、シニア世代のコミュニケーション術(第1回)

「いい顔」「魅力的な顔」って何ですか?
“顔”から考える、シニア世代のコミュニケーション術(第1回)

東京大学教授/「顔」学研究者 原島 博さん

いくつになっても、「顔」は変えられる!

東大教授、コミュニケーション工学の研究者、顔学者など、さまざまな顔を持つ原島さん。

好むと好まざるとに関わらず、一生つき合わなければいけないもの、それが自分の「顔」。鏡に映る自分の顔に、“あと少し鼻が高かったら…”“頬がもうちょっとすっきりしたら…”と思い悩んだ経験が、誰しもあるでしょう。

人とコミュニケーションするとき、まず初めに相手に伝えられる情報は、言葉でも声でもなく、「顔」です。だからこそ、その顔で、好意を持ってもらうことができれば、コミュニケーションも円滑になるのでは。50代からのコミュニケーションを考えていて、はたとその問題に突き当たりました。そのためにはどうすれば…?

考えるヒントをくれる方が、東京大学にいました。工学部教授の原島博さん(62歳)です。原島さんはコミュニケーション工学の研究者である一方、「日本顔学会」を設立し、顔を学問としてとらえて幅広い研究を提案した、ユニークな方。



職業別の平均顔。左上から時計回りに、銀行員、プロレスラー、政治家の順(出典:東京大学 原島・苗村研究室「Face Gallery」。以下同)。

「『男は40(歳)になったら自分の顔に責任を持て』と言ったのは、かのリンカーン。大宅壮一さんも『男の顔は履歴書である』と言った。別に男である必要はないのですが、この2つの発言にはある大前提があります。それは、顔というのは“変わる”“変えられる”ということです」

そういえば、私たちが顔で思い嘆くとき、「顔は親から授かったもので、変えられない」と考えるからこそ嘆くのでした。
「僕自身の経験でいうと、人の顔は変わっていく。明治時代の人と現代人の顔は明らかに変わっている、それは、生活習慣や時代というものが、顔を変えていったから。また、平均顔を研究したときに驚いたんですが、銀行員はいかにも銀行員の顔になる。銀行という環境の中で、まわりから求められる顔というものがあり、それに自分を合わせていくからではないか。そう考えると、顔は自分の気の持ち方で変わっていくということになる」

原島さんの「平均顔」シミュレーション研究の一端、東大大学院生男子22人の平均顔。
 
浅野ゆう子、浅野温子、鈴木保奈美など、「現代トレンディドラマの女優顔」(「平均顔」シミュレーション研究の一端として)。

平均顔の研究とは、原島さんが専門のコンピュータ技術を駆使して、複数の人の平均値の顔を作るというもの。銀行員やプロレスラー、政治家など職業別に平均顔を作ったところ、いかにもそれらしい顔が浮かび上がったそうです。
「きちんとしたスーツを着ていれば、だんだんそれに似合う顔になるし、ラフなスタイルならば、ラフな顔になっていく。毎日どんな服を着るかでも、顔は変わります」


いい顔とは、自分ひとりでは作れない

それでは、どうすれば顔をもっと魅力的に変えることができるのでしょうか。
「僕は顔というのは、見る人と見られる人の関係の中にあると思っています」と、原島さん。どういう見方をするかで、顔は違って見えると断言します。

日本人の顔の過去・現在・未来。左上から時計回りに縄文人、弥生人、現代人、未来人(100年後)の順(「平均顔」シミュレーション研究の一端として)。平均顔は、日本人の顔研究にまでつながった。

人は相手との関係が遠いときは外見を見ますが、コミュニケーションが深まると、ちょっとした表情やクセが目についてきます。そして、そこから相手のイメージを作り上げていく。つまり、どういうイメージを重ねるかで、見方も変わってくると、原島さんは言うのです。

「いい顔に見られるためには、いいイメージを持ってもらうことです。よく“人間、顔じゃないよ、心だよ”と言います。顔学の立場からは“顔が大切だよ”と言いたいんだけど(笑)、いいイメージを持ってもらうには、いい心を持っていることが大切になる。心がよければ、顔もよく見えてくるわけです」

ふうむ。しかし、それではいい「心」とは何だと、顔から心へ問題点が移ってしまい、なんだか袋小路に入り込みそう…。原島さんは、こう続けます。
「いい顔って、自分ひとりで作れるものではないんです。目の前にいる人との共同作業。暗い顔をしていたら、まわりの雰囲気も暗くしてしまい、相手も暗くなるでしょう。逆に、こちらからいい顔を発信すれば、まわりもいい顔になる。それを見て、さらに自分もいい顔になれる」

そうか。一つ言えることは、いい「顔」とは、まわりを気持ちよくさせる「表情」ができるかどうか、でもあるのですね。いい顔で相手と向き合いたいと思えれば、自然と顔や表情はよい方向に変わってくる、ということでしょうか。

でも、まだまだ疑問は尽きません。シニア世代は、どんな「顔」を目指せばいいのか。それは、どんな生き方を目指せばいいかにもつながる問いかもしれませんが、この続きは次回に。


◆お知らせ◆
STAGEセミナー
東大キャンパスで考える「いい顔の作り方」

8月のSTAGEセミナーは、東京大学工学部教授・原島さんが、「いい顔をつくる秘訣」をレクチャー。本郷キャンパスの緑と建築物の散策もします。

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