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トップページ > エンターテイメント > エンターテイメント インタビュー > 南の島のオーナーになって20年。自然とともに、焦らず、急がず、ゆったりと。(第1回)

南の島のオーナーになって20年。
自然とともに、焦らず、急がず、ゆったりと。(第1回)

カオハガン島オーナー 崎山克彦さん

「南の島でのんびり暮らす」は、定年後の理想!?

フィリピン・カオハガン島のオーナー、崎山克彦さん(※写真はすべて、崎山さんが運営するカオハガン島公式ウェブサイト「何もなくて豊かな島『カオハガン』」より)。
ベストセラーになった崎山さんの著書『何もなくて豊かな島―南海の小島カオハガンに暮らす』(新潮文庫)。

会社を退職した男が人生の休暇中に、ある運命的な出会いをする。ダイビングで訪れた美しい南の島が「売りに出ている」ことを知り、その島を買い取ってオーナーになってしまうのだ…。

こんな話を聞いたことはありませんか?そう、もう10年以上も前、南の島のオーナーとなってからの生活を書いたベストセラー『何もなくて豊かな島――南海の小島カオハガンに暮らす』を思い出した方もいらっしゃるでしょう。

その著者である崎山克彦さんは、1987年にフィリピンのセブ島沖にある小島「カオハガン島」を買い、1991年から島に移住。73歳となった現在も、1年のほとんどを島で暮らし続けています。

定年後、南の島でのんびり、ゆったり暮らす、それも島のオーナーとなって!誰もが憧れ、うらやむような人生を、崎山さんは送っているといえるでしょう。

しかし、崎山さんはただ個人の夢を実現したというだけに終わらない、将来へつながる活動をこつこつと続けてきました。定年後、何を暮らしのよりどころとすればいいのかわからない方には、大いに参考になるかもしれません。

350人の島民と「一緒に暮らす」という選択

どこまでも澄んだ珊瑚礁の海に囲まれた南の島、カオハガン島。ここに、現在は約500人の島民が暮らす。

崎山さんが「一粒の真珠のような島」と表現するカオハガン島は、美しい珊瑚礁の海に囲まれた、周囲2kmの本当に小さな島です。1987年、突然の島との出会いに、「ちょっとドキドキしてね。上陸したら、すごくきれいな、私にとっては夢みたいなところだった」と崎山さんは振り返ります。

当時、崎山さんは長年勤めていた出版社を辞めたばかりの52歳。退職するには少し早い年齢でしたが、「やりたいことはやった」という思いと、違う価値観に出会える仕事をしたいという気持ちからだったそうです。

売りに出ていたカオハガン島は、当時の価格で1千万円ほど。偶然に導かれるまま、崎山さんは島を買うことになります。

しかし、そこには350人近くの島民が暮らしていました。ほとんどが何世代も前から住みついた人たちですが、法律的に彼らは土地不法占有者で、住む権利があるわけではないとか。フィリピンの友人からは、彼らに別の土地を与えて移住させるよう提案されたと、崎山さん。

「でも、島民たちは土地との結びつきがすごく密なんです。そんな土地を買ってしまっていいのか、すごく引っかかっていた」

そんなとき、ある作家の文章を読んで崎山さんは納得します。いわく、昔は土地とは個人が所有するのではなく、たまたま神が貸してくれたと考えるものだったということ。だからこそ、借りている間は環境を整えたり、よくすることに努め、必要なくなったら返すのだ、と。

「ああ、これだなと思って。島に住んでいる人たちを追い出すのでなく、一緒に生活して楽しんでみようと思ったんです」

島の美しさを、次世代へ

崎山さんが主宰するNGO「南の島から」では、カオハガンの子供たちの教育普及活動に尽力している。
カオハガン島の美しい夕日(撮影:熊切圭介)

島を買った後、ある仕事を引き受けた崎山さん。本格的に島で暮らすようになったのは4年後の1991年からで、その間は年に数回訪ねる程度。でも、その間にじっくりと島での暮らしが考えられたといいます。

オーナーは崎山さんでも、島民たちには育まれてきた"共同体"があります。その共同体を壊さず、尊重し、自ら溶け込んでいくことを崎山さんは選択しました。やがては宿泊施設をつくり、日本から来る旅行者を受け入れるようになり、そこに島民たちも巻き込んでいくことになったのです。

今では、崎山さんは「持続可能な島」プロジェクトを立ち上げ、活動しています。この島を訪れた人は島民たちと触れ合い、現地の暮らしが体験できます。それによって、島民たちも収入を得ることができ、生活レベルが引き上げられてきています。といって、今ある環境を壊すことなく、自然が生んだ財産をいかに次世代に引き継いでいけるかを常に考え、崎山さんは島の整備を進めたり、島民たちとともに行動しています。

豊かな海の恵み、自然に寄り添ってあるシンプルな暮らし、島民たちとつくり上げた絆、そして美しい島を持続させるための将来につながる活動…。これほど大きくてやりがいのある退職後の"仕事"があるだろうかと、うらやましさを覚えます。

ですが「5年後にはすべてを人に任せ、一島民として暮らしたい」と崎山さんは話します。それはどんな思いからなのでしょう。次回は、崎山さんの人生をさらにお聞きすることにしましょう。


カオハガン島公式ウェブサイト
「何もなくて豊かな島『カオハガン』」

URL:http://www.caohagan.com/

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