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「人間牧場」で田舎のよさを発見する
夕日をテーマに、20年間まちづくりに奔走してきた若松進一さん(63歳)は、退職した今、「人間牧場」という舞台を得、人生の新たなステージを生きています。さて、強烈なネーミングの「人間牧場」とは? 若松さんに連れられてたどり着いたのは、以前はみかん畑だったという小高い山の中腹でした。 「ここが、『人間牧場』ですよ」 たとえば、イモづくり。初めての年は、子どもたちが植えたイモを、すべてイノシシが食べてしまったそう。そこで2年目はネットを張るなど知恵を絞り、無事収穫できました。3年目の今年は、去年と同じでは面白くないと、去年採れたイモを取っておき、ツルが伸びたものから新しいイモをつくる「生命のリレープロジェクト」に挑戦中。 「これ、子どもの発想なんだよ。毎年レベルアップしていくと目標が持てるよね。自分がしたことで、自分がどうレベルアップできたか。その確認作業をすることで、子どもたちはすごく成長すると思う」と話す若松さんの顔は、実に嬉しそうで、輝いて見えます。 家族とともに、地域とともに、自分とともに若松さんは、“夢はドリームではなく、ターゲットである”が持論。自身、40歳になったら、50歳になったらと、常に目標を持って生きてきました。
「50歳のときに、60歳になってリタイアしたら、アウトドアで田舎のよさを伝えていきたいと思ったんです。そこで、60歳になったら『人間牧場』をつくるぞと決めた。目標が見えると、充実してくるんですよ」 そのために必要な資金を50歳から貯め始めました。お酒を飲まない日をつくり、1日1000円の“飲んだつもり”貯金をしたり、まちづくりについての講演依頼で得たお金を貯金したり…。 そして、この場所をつくったことで、役所で働いていたころとはまた違った、まちや人との関わり方が生まれてきました。家族との関係も変わってきたと言います。 これから先の人生を元気で生きるには、必要なことが3つあると若松さんは考えています。ひとつが、家族とともに生きること。次に、地域とともに生きること。そして、自分とともに生きるということ。 「仕事で忙しかった家族との関係、夫婦の関係を、もう一度考え直さなきゃいけないですよね。地域とともに生きるというのは、意外にみんなが見落とすところ。今まで生きてこれた、その恩返しをする意味で、地域へのボランティア活動は大事なことだと思います。その方法として、僕はここをつくったんです」
最後の、「自分とともに生きる」とは、自分が今どこにいて、どこを目指すのか、何がしたくて何ができるのかを考え抜くということ。 若松さんのブログを読んで、「人間牧場」に行ってみたいと、全国から実際に訪ねてくる人も多いそうですが、「僕と同年代で、自分がこれからどうしたいのか、話を聞いて欲しいという人が多い」といいます。 「自分をどう見つけていくかって、言うのは簡単だけれどこれが難しい。やりたいことと、できることにはギャップがあるからね。そのギャップを埋めるために努力するのが、人間の生き方なのかもしれない」 若松さんにとっては、この「人間牧場」でこれからやってみたいこと(山のようにあるとか!)が、自分と向き合うことにつながるのでしょう。 「“感動しない人からは、感動は伝わらない”。これもまた難しいことだけれど、心の開きをもって、感動する人間でありたいと思います。そのためには、いい人にめぐり会い、異文化に触れたりして、自分の心を研ぎ澄ませていくこと。“一生、勉強”だな」 |
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