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トップページ > エンターテイメント > エンターテイメント インタビュー > 「しずむ夕日」を主役に、まちづくり!まちを活性化させた“カリスマ”の次なる目標とは? (第2回)

「しずむ夕日」を主役に、まちづくり!
まちを活性化させた“カリスマ”の次なる目標とは?(第2回)

「人間牧場」主 若松進一さん

「人間牧場」で田舎のよさを発見する

「人間牧場」の中心施設「水平線の家」。広いデッキからは、海が一望できる。
「ロケーション風呂」を楽しむ若松さん。五右衛門風呂に浸かって眺める海は、また格別。

夕日をテーマに、20年間まちづくりに奔走してきた若松進一さん(63歳)は、退職した今、「人間牧場」という舞台を得、人生の新たなステージを生きています。さて、強烈なネーミングの「人間牧場」とは? 若松さんに連れられてたどり着いたのは、以前はみかん畑だったという小高い山の中腹でした。

「ここが、『人間牧場』ですよ」
瀬戸内海を一望するその場所には、いくつかの真新しい施設がありました。薪ストーブと囲炉裏が設えられた「水平線の家」、海を眺めながら湯に浸かる「ロケーション風呂(通称ロケ風呂)」、子どもたちと竹とんぼをつくる「赤とんぼの館」に、「ツリーハウス」、そして「農場」です。若松さんはここを拠点に、子どもたちとさまざまな楽しいボランティア企画を考え、すでに実践しています。

たとえば、イモづくり。初めての年は、子どもたちが植えたイモを、すべてイノシシが食べてしまったそう。そこで2年目はネットを張るなど知恵を絞り、無事収穫できました。3年目の今年は、去年と同じでは面白くないと、去年採れたイモを取っておき、ツルが伸びたものから新しいイモをつくる「生命のリレープロジェクト」に挑戦中。

「これ、子どもの発想なんだよ。毎年レベルアップしていくと目標が持てるよね。自分がしたことで、自分がどうレベルアップできたか。その確認作業をすることで、子どもたちはすごく成長すると思う」と話す若松さんの顔は、実に嬉しそうで、輝いて見えます。

家族とともに、地域とともに、自分とともに

若松さんは、“夢はドリームではなく、ターゲットである”が持論。自身、40歳になったら、50歳になったらと、常に目標を持って生きてきました。

「人間牧場」でこれからやっていきたいことの一つに、創作落語の会がある。「らくごはらくごでも、落伍者の『落伍』」と笑う、若松さん。

「50歳のときに、60歳になってリタイアしたら、アウトドアで田舎のよさを伝えていきたいと思ったんです。そこで、60歳になったら『人間牧場』をつくるぞと決めた。目標が見えると、充実してくるんですよ」

そのために必要な資金を50歳から貯め始めました。お酒を飲まない日をつくり、1日1000円の“飲んだつもり”貯金をしたり、まちづくりについての講演依頼で得たお金を貯金したり…。

そして、この場所をつくったことで、役所で働いていたころとはまた違った、まちや人との関わり方が生まれてきました。家族との関係も変わってきたと言います。
「家族とすごく向き合うようになりました。設計士の息子が、この施設をつくるのを手伝ってくれたし、ボランティアに関わるようになったしね」

これから先の人生を元気で生きるには、必要なことが3つあると若松さんは考えています。ひとつが、家族とともに生きること。次に、地域とともに生きること。そして、自分とともに生きるということ。

「仕事で忙しかった家族との関係、夫婦の関係を、もう一度考え直さなきゃいけないですよね。地域とともに生きるというのは、意外にみんなが見落とすところ。今まで生きてこれた、その恩返しをする意味で、地域へのボランティア活動は大事なことだと思います。その方法として、僕はここをつくったんです」

大勢の観光客を集めるようになった「夕日」は、これからもまちの財産としてきらめき続ける。

最後の、「自分とともに生きる」とは、自分が今どこにいて、どこを目指すのか、何がしたくて何ができるのかを考え抜くということ。

若松さんのブログを読んで、「人間牧場」に行ってみたいと、全国から実際に訪ねてくる人も多いそうですが、「僕と同年代で、自分がこれからどうしたいのか、話を聞いて欲しいという人が多い」といいます。

「自分をどう見つけていくかって、言うのは簡単だけれどこれが難しい。やりたいことと、できることにはギャップがあるからね。そのギャップを埋めるために努力するのが、人間の生き方なのかもしれない」

若松さんにとっては、この「人間牧場」でこれからやってみたいこと(山のようにあるとか!)が、自分と向き合うことにつながるのでしょう。

「“感動しない人からは、感動は伝わらない”。これもまた難しいことだけれど、心の開きをもって、感動する人間でありたいと思います。そのためには、いい人にめぐり会い、異文化に触れたりして、自分の心を研ぎ澄ませていくこと。“一生、勉強”だな」
海からの心地よい風に吹かれながら、そう言って若松さんは笑いました。


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