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トップページ > エンターテイメント > はじめての碁会所 > 第2回「だめは駄目」

ネットで世界中の囲碁ファンと対局 はじめての碁会所

碁で人と文化を知る

はるかな昔から人の生活と囲碁が深く関わっている。興味深い知恵と歴史を紹介。
(毎月月末頃更新)

だめは駄目

 

囲碁の用語から転じて、広く使われるようになった言葉がいくつかあります。
「布石」や「定石」などは「石」がつくので、碁を打たない人でも、碁から生まれた言葉とわかるでしょう。
よく使われる「だめ」が碁の言葉であることは、どれくらい知られているでしょうか。
「だめ」という言葉は無駄な目という意味で、中世の室町時代には、すでに用いられていました。
「時代別国語大辞典 室町時代編」(三省堂)に、つぎのようにあります。

だめ[駄目]囲碁用語。双方の境にあってどちらの地にも属さないところ。
室町時代は1336〜1573年
(1392までの南北朝時代、1467以降の戦国時代を含む)

無駄や無益という意味は記されていません。まだ碁の用語として使われていただけなのでしょうか。
あるいは、今日とおなじように使われ始めていたが、書き言葉としては記されなかったのかもしれません。
アマの碁では、大石どうしの攻め合いが有利で手抜きしてもよいときに、念のためダメを詰めて、取れているのを確かめることがあります。昔の人もそうだったのでしょう。
「だめ押し」は、そこから来ている言葉です。昔は「だめをおす」あるいは「だめをさす」と言いました。

平安時代は「けちをさす」と言いました。
「けち」は「結」でダメのことです。「枕草子」の一節に、「けちさしつ」とあります。
当時は「だめ」という言葉がなかったと思われます。
「だめ」は、今日たいへんよく使われる言葉です。
小さい子供のいる家庭では、一日に10回も20回も「だめ!」と言うことがあるかもしれません。
その中には、どうしてだめなのか、子供がわからないこともしばしばあるのではないでしょうか。

碁を覚え始めの初心者には、どこがダメなのか、なかなかわからないものです。
何が良くて、何が悪いか、失敗しながら少しずつわかって行くのが上達です。
教える側は親切心から「それはダメ、こう打つのがいい」と言うことが多いけれど、教わる人が先生の言うとおりに打ってばかりで自分で判断しなければ、なかなか上達しません。
力の差があっても、相手の顔をうかがいながら打つようでは、何のために碁を打つのかわかりません。

一人ひとり感性や思考方法に違いがあります。
親が強く言っても、先生が明言しても、最後はそれをどう受け止めるかです。
何がだめで、何が良いか、それを判断するのは、結局のところ、その人自身です。
結局…。結は駄目、局は碁盤(角川古語大辞典)。
駄目を詰めて終わりになること、それが「結局」です。
最後まで(打って)自分で納得してこそ、先に進めるのでしょう。

(2000年2月作品)

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