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コーヒーの職人バリスタが淹れるエスプレッソ(1/2)エスプレッソの抽出職人であるバリスタは、コーヒーにおけるソムリエ。コーヒーを熟知した職人ならではの技術とこだわりが、その一杯に秘められている。
基本はエスプレッソここ最近、日本はちょっとしたカフェブームである。都会には続々とおしゃれなカフェがオープンし、街のいたるところで、コーヒーを飲みながらくつろいでいる人たちを目にする。 イタリアでは、カフェのことを『バール』と呼ぶ。地元の人々がコーヒーを飲むために朝・昼・晩を問わず足を運ぶ場所なのだが、このバールに欠かせない存在が『バリスタ』だ。バリスタとは、コーヒー豆の知識はもちろん、高い技術と独特の勘を備えた、いわばコーヒーの職人。エスプレッソを愛するイタリアならではの、れっきとした資格だ。「バリスタが変われば、その店のコーヒーも変わる」といわれるほど、バリスタの腕によって一杯のコーヒーの味が左右される。
そのバリスタが日本にも存在すると聞き、さっそく六本木のカフェ『バール・デル・ソーレ』へ出かけた。横山千尋さんがその人である。彼は、日本人で初めてイタリアの『バリスタ協会』に認定された人物。現在、日本人としてバリスタの資格を持つのは、横山さんただひとりなのだ。イタリアでの修業経験を持つ横山さんに、バリスタという仕事、そしてエスプレッソやカプチーノなど、職人が淹れるコーヒーについて語ってもらった。 「イタリアでコーヒーといえば、エスプレッソのことを指します。エスプレッソの中には、コーヒーが持っている99%の旨みが溶け出しているといわれ、普通のコーヒーとは一線を画すものなんです。カプチーノはそれにミルクを加えた、いわばアレンジメニュー。美味しく淹れるためには、まず基本となるエスプレッソをしっかりと抽出すること。一杯のエスプレッソがすべての原点なんです」 イタリア語で『早い』を意味するエスプレッソは、その名の通り25〜30秒ですばやく抽出される。圧力をかけて豆の成分を溶かし出すので、味わいはかなり濃厚だ。これだけ濃いとカフェインの量もかなり多いのだろうと思いきや、意外なことに普通のコーヒーに比べると半分しかない。これも豆を一気に抽出するからだ。バール・デル・ソーレでは、一杯のエスプレッソに、7gの豆を使い、9気圧、90度で25秒間、約25ccを抽出する。 「エスプレッソは量が少ないとよく言われますが、これ以上の水分を加えても、単なる出がらしになってしまいます。美味しいエスプレッソは、苦味、旨み、酸味、甘みがバランスよく出ている。イタリア人は小さなデミタスカップにたっぷりの砂糖を加えて、だいたい三口で飲み干します。一口目に苦さ、二口目に香り、三口目に甘さを楽しむんですよ」 バリスタの技 デザイン・カプチーノカプチーノを淹れるには、エスプレッソを淹れる技術に加え、クオリティの高いフォームドミルクが必要になる。フォームドミルクとは、マシーンの蒸気を通して温め、細かい泡に変化させたミルクのことだ。エスプレッソにこのミルクを加えると、カプチーノが出来上がる。 ところで、デザイン・カプチーノという言葉を耳にしたことがあるだろうか。これは、エスプレッソにココアパウダーを振りかけ、フォームドミルクを注ぎ入れるだけで、カップの表面にさまざまな模様を描き出すというもの。褐色のエスプレッソとココアパウダー、フォームドミルクの泡が混ざり合う時にできるマーブル模様を利用して作るのだ。 「カプチーノにこうした絵を描くことができるのは、ミルクの泡が細かく、ボディがしっかりしているから」 と話しながら、横山さんはハート模様のデザイン・カプチーノを淹れてくれた。一杯にかかる時間はほんの数秒。簡単そうに見えて、実は高い技術を必要とするバリスタならではの技なのだ。 コーヒーを舌だけでなく、目でも味わう。こんなところに『人生を楽しむ達人』といわれる、イタリア人のエスプリを感じることができる。ふわふわの泡はやわらかい口当たりで、そこにはコーヒーのまろやかで濃厚な味わいがあった。 バリスタの技 エスプレッソを使った デザイン・カプチーノが 出来るまで
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