坐禅で心と体を解きほぐす
第1回 正しい姿勢をつくる
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山本 文渓 (やまもと・ぶんけい)
宋雲院住職
東洋大学卒業後、京都南禅寺専門道場にて修業を積む。昭和51年に東京都台東区にある臨済宗宋雲院住職となり現在に至る。 |
坐禅の基本は「調身・調息・調心」
坐禅は、仏教の創始者であるお釈迦(しゃか)様が、菩提樹(ぼだいじゅ)の下で坐禅を組み、深い瞑想の中から無我の境地である「空」(くう)があることを悟ったのがルーツとされています。
そのため坐禅の最終目的は「悟り」を開くことと言われています。
その坐禅が、ここ数年の間に、一般の人の間で静かなブームになっています。
というのは、宗派によって多少の違いはあるものの、坐禅の基本は、体を落ち着かせ、心を一ヵ所に集中し、「身・息・心」の統一を図ることだからです。
これを「調身(ちょうしん)(姿勢を調える)調息(ちょうそく)(呼吸を調える)、調心(ちょうしん)(心を調える)」と言いますが、忙しい現代人にとっては、この座禅の修行法が、心身を深くリラックスさせ、自分を見つめ直すよい機会になっているようなのです。
もちろんだからといってただ坐ればよいわけではありません。
坐禅にもきちんとした作法があるので、まずは自宅で坐るための心構えと、正しい姿勢のつくり方を覚えることから始めましょう。
正しい坐相(姿勢)を身につける
緩やかに生きるために
坐禅を行うときは、できるだけ静かな部屋で行います。臨済宗では壁を背にして坐り、曹洞宗では壁に向かって坐りますが、自宅で行う場合はスペースと相談し、落ち着いて坐れる場所で行いましょう。おおよそ一畳分のスペースがあれば、ゆったり坐ることができます。
座蒲(ざふ)を準備する
禅寺では、坐禅を組む際に座蒲と呼ばれる円形の厚めのクッションを使用します。最近はバラエティーショップなどでも購入できますが、座布団でも応用できます。1枚を普通に敷き、半跏趺坐の場合はその上に二つ折りにした座布団の折り目がお尻の下に来るようにおきます。 |
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合掌と礼をする
手を合わせて(合掌)一礼し、心を落ち着かせます。 |
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座蒲(ざふ)に浅く坐る
深く坐るとバランスが崩れるので、座布団にお尻を前半分乗せるようにし、軽くあぐらをかくように足をたぐりよせます。 |
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足の裏を上に向けてももの上に乗せる
片方の足を両手で持ち、反対側の足のももの下にいれます。もう片方の足を両手で持ち、かかとをおなかに近づけるように引き寄せ、足の裏が上を向くように反対側の足のももの上に深く乗せます。お尻、両ひざの三点で体を支えるので、ひざが浮いてる場合は、座蒲に坐る位置を調整し、確実に両ひざをつけるようにします。この形を半跏趺坐といい、本来の結跏趺坐を略したものです。初心者は半跏趺坐から始めるとよいでしょう。 |
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正式な結跏趺坐は、両足を交差させてももの上に乗せます。坐蒲に坐り、片方の足をももの上に乗せたら、同様にもう片方の足もおなかに近づけるよう引き寄せてももの上に乗せます。これはお釈迦様が悟りを開いたときのポーズだと言われています。 |
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坐相を決める
体を振り子のように前後左右に振って体が安定する位置を探します。お尻は動かさず、初めは大きく揺らし、徐々に揺れを小さくして真ん中で止まったら、そのまま息を吐きながら上体をゆっくりと前に倒し、息を吸いながら上体を起こして安定する位置で止まります。 |
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印(いん)を結ぶ
手のひらを上にして右手を組んだ足の上に乗せ、その上に左手を乗せ、ボールを包み込むように親指どうしを軽くつけます。この手の組み方を「法界定印(ほっかいじょういん)」と言います。坐禅の間は親指を離さないようにしますが、眠くなったり、集中力を失うと自然に離れるので注意しましょう。 |
『暮しと健康』2007年8月号より転載
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