合気道の体の動きを日常に生かす
第3回 片脚立ち・歩く
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佐原 文東 (さはら・ふみはる)
清心館道場道場主
1963年に合気会本部道場入会、山口清吾師範に直接師事。柳生新陰流兵法と柳生制剛流抜刀、鹿島神流のほか、気功、太極拳等を学ぶ。6年前から禅僧のもとで禅の修業を開始。八王子市合気道連盟理事長。合気道七段。著書に『実践合気道入門』(永岡書店)がある。 |
中心を丹田に置き足裏全体でバランスを取る
立つ、歩くという行動は、普段意識することはありませんが、実は最も基本的な運動といえます。例えば、合気道では、相手が攻撃してきたときに力でねじ伏せるのではなく、相手の力が作用しない境界線に入り込み、相手がバランスを崩したところに技をかけます。技をかける側は片脚立ちになることが多いわけですが、それでもバランスを崩さないのは体軸がしっかりしているからです。つまり、体軸がぶれてしまっては本来の力が発揮できないということです。これはどんなスポーツにも共通していえますし、日常生活でも重要なことです。
現代生活では、靴下や靴をはくのが当たり前になっていますが、足の裏にも神経は通っています。神経は、筋肉同様、使わなければ衰えるので、ささいなことでバランスを崩しやすくなるのです。最近、障害物もないのによくつまづいたり、ころぶようになったという人は、ぜひ足の裏全体で体を支える練習をしてください。それにより、立ち方、歩き方の姿勢も改善されます。 |
片脚立ちで、つまづかない歩き方を身に付ける
1.腰とひざをやや緩め、真っすぐ立つ。
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2.両手を広げ、右脚のひざを曲げ、ひざを脚の付け根まで上げる。
| 1.目線はやや上に |
真っすぐ正面を見るより、目線をやや上にして一点を見つめると姿勢が整い、体勢が安定する。 |
| 2.丹田に重心を置く |
へその5cmほど下にある丹田に重心を置くことで姿勢が安定する。両手で壁を押し、押した力が丹田に戻ってくるようにイメージすると分かりやすい。 |
| 3.ひざと腰を緩める |
腰やひざに力を入れるとバランスが取りにくいので、緊張せずにリラックスして行う。軸足側の腰、ひざ、足首の関節を少し緩めるように意識するとバランスが取りやすい。 |
| 4.ひざは脚の付け根まであげる |
こうすると大腰筋を鍛えることができる。初めは無理をせず、上げられる高さで行って構わない。 |
| 5.足の指一本一本でバランスを取る |
足の指先からかかとまでをしっかり畳の上にのせ、足の裏全体でバランスを取る。バランスが崩れそうになってもすぐに両足をつかず、動いてもいいので足の裏の神経を敏感にして、できる限り片脚でバランスを保つようにする。 |
| 6.軸線をつくる |
頭の先、首、へそ、ひざ、つま先が1本の線でつながるように、真っすぐの軸線をつくる。丹田から足の裏に向かって真っすぐ重さが落ちるようにイメージすると安定する。 |
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※初めは15〜20秒を目安に、できる範囲で長く立つようにし、最終的には3分間バランスを保つことを目標にしましょう。
片脚立ちのポーズは中心の安定とバランス感覚を高める
片脚立ちと歩行は、一見すると関係のない二つのエクササイズに思われるかもしれません。しかし、歩くときは意識しなくても常に片脚立ちになっていますから、安定した歩行には、片脚立ちを安定させることが欠かせません。ところが、いざ片脚で長時間立とうとすると足首やひざ、腰の関節が硬いままでは姿勢が安定しないことが分かるはずです。
姿勢を安定させるためには、適度に関節を緩め、バランスを取らなくてはならないからです。
片脚立ちの練習は、筋肉をつけるというより、足の裏で重心を受け止めながら体軸を安定させ、バランス感覚を養うためのもので、中国武術や気功でも行われています。足裏に自分の体重が感じられるようになれば足裏が生きてきます。最初はふらつくかもしれませんが、毎日続ければ体軸も安定してきます。片脚で体が支えられれば、もう片方の脚や両手は自由に動かせるので、いざというときも慌てずに危険回避できるでしょう。
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歩く
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合気道の動きを基礎から学びたい人は、実際に道場に行ってみるのがおすすめです。道場では、二人一組になってけいこをするため、構えや入り身、体変換も真剣そのもの。軸を真っすぐに保ったまま重心移動をしなければすぐに倒されてしまうので、相手との相対的な動きの中で体の使い方を学ぶことができます。また、繰り返しけいこすることで、柔軟で力強い足腰を養うことにもつながります。
清心館道場では、週に2回初心者を対象にした入門科を設けています。ここでは、関節を柔軟にする方法から立ち方、脚の運び方、体さばきまで、基本的な動きを学ぶことができます。また、見学・体験は定休日以外はいつでも可能なので、続けられるか心配だという人は、見学から始めてもよいでしょう(体験の場合は、運動着を持参。着替えスペースあり)。
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『暮しと健康』2007年12月号より転載