腰を入れて動くことで上半身と下半身が安定する
バレエなど西洋の踊りは、体を上へ上へと伸ばすことを基本としますが、日本舞踊は大地にしっかりと両足をつけ、腰を落として動くのが基本です。例えば、日本舞踊には「おすべり」という女踊りに用いられる動作があります。これは日本舞踊ならではの緩やかな曲線の美しさを作り出す重要な動きですが、このときもひざを緩め、腰をやや落とした状態をキープしています。また、「立つ」「歩く」「型を見せる」などのときも中腰が多いため、日本舞踊では下半身の鍛錬が必要とされます。
よくスポーツの世界では「腰を入れる」という言葉を使いますが、これは日本舞踊でも使われる言葉です。腰を入れるとは、第5腰椎(ようつい)、尾てい骨、丹田(たんでん)を下げることを意味します。つまり、腰を落とし(重心を落とし)、肩の力を抜いて姿勢を整えれば、上半身を動かしても下半身が安定するということです。普段の生活でも、上半身と下半身がばらばらに動くと、体に余計な負担がかかります。下半身は体を支えるバネの役割を果たしているので、しっかり鍛えましょう。
日本舞踊から学ぶ体の使い方と重心のかけ方
日本舞踊では座ってあいさつをするのが基本ですが、立ち上がるときに着物のすそが乱れたのでは美しい所作とはいえません。もちろん、歩くときも踊りの最中も、常に美しい所作は不可欠です。そのためには上半身と下半身がぶれないように、重心を体の中心に置き、動きを安定させることが大切です。
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1.背すじを伸ばし、ひざを緩めて立ち、下腹部に軽く力を入れて重心を安定させる。歩き始める前にやや前傾姿勢になると歩きやすい。 |
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2.左脚に重心をかけ、右脚で床をするように一歩前に踏み出し、かかとで着地してつま先を上げる。かかとを床に押し込むイメージで踏み込むとつま先がきちんと上がる。 |
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3.後ろ足で床をけると同時に、右脚に重心をかけ、右脚の裏全体を床につける。 |
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4.右脚に重心をかけたまま、左脚を前に押し出す。脚を運ぶときは、足の裏で床をするようにイメージする。 |
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5.左足のかかとを床に押し込むようにして、つま先をしっかり上げる。 |
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6.後ろ足で床をけると同時に、左脚に重心をかける。 |
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1.背すじを伸ばして立ち、ひざを軽く緩め、腰を入れる。両手を広げながら、左脚を後ろにすべらせ、右脚に重心をかける。脚をすべらせるときは、かかとを上げ過ぎないように注意する。 |
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2.左脚を元の位置に戻し、今度は右脚を後ろにすべらせながら、右手の手のひらを軽く上げて重心を左脚にかける。すべらせた脚には力を入れず、ふくらはぎをリラックスさせる。 |
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3.右脚を元の位置に戻したら、左脚を後ろにすべらせながら、左手を上げて右脚に重心をかける。手を動かすときは、木に芽吹いた花々を愛めでるイメージで動かすと自然に指先や目線が繊細に動かせる。 |
おすべりは下半身強化に最適
すべるという動きは、一見すると脚を後ろにすべらせるだけなので、非常に簡単に見えるかもしれません。しかし、この動きを行うときは、美しく見せるために上半身がぶれたり、下半身がふらつかないように、しっかりと腰を入れて行わなければなりません。実際に腰を落とし、ひざを軽く折って、足首を使い、丁寧にすべると、重心の乗った脚の筋肉がよく使われ、すべらせた脚のふくらはぎがその間にリラックスしていることが分かるはずです。実は筋肉はこのように弛緩と収縮を繰り返すことで血流がよくなり、効果的に鍛えることができるので、日本舞踊の「おすべり」は下半身を強化するのに最適といえます。初めてこの動きを行う場合は、まず脚だけ動かしてすべる感覚を覚えてから手の動きを加えるといいでしょう。 |
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