
山崎: 2007年に団塊の世代がリタイアするということで、このマーケットに注目が集まっているのですが、コカ・コーラ社としてはどのようにお考えでしょうか?
魚谷: ビジネスサイドから見たら大変な時代の到来です。今まで団塊の世代の人たちは企業を引っ張ってきたリーダーで、いろいろなノウハウを蓄えているわけです。とくに工場の品質管理とか技術の分野で、どのように継承・伝承をしていくのか。若い人たちを早く採用し、育成して後継者にしていくとか、企業としてのこれまでの質を保つという面では非常に大きな問題だと考えています。
また日本は高度成長に携わってきた方たちですし、その時代時代に応じた新しい消費モデルを作ってきた方達ですから、これから2007年以降の新しいライフスタイルやモデルが出来上がっていく可能性はあると思います。
山崎: 飲料に関してはいかがでしょうか?
魚谷: 飲料全般でいうと、昨今、健康がひとつのテーマとなってきています。 また、数年前にコカ・コーラ社のグローバルの方針として、“Active Healthy”という言葉を掲げました。加齢とともにメタボリック症候群とか、腰痛など健康面での赤信号が出てきます。そのような状況においてもActiveで健康的な生活を送るお手伝いをするような飲料は求められていると思っています。
山崎: 去年、当社でも50歳未満お断りのサイト「STAGE」の中に「夢ブログ」というものを作りました。人生まさに、これからという事で、会員さんご自身でチャレンジしていく「夢」を決め、その夢の実現の為のステップをブログで公開していただくのです。そうすると他の会員さんが応援してくださいますし、また 自分も負けじと新しい夢にチャレンジされていきます。現在も多くの会員さんが新しい人生の夢に向かって突き進んでいらっしゃいます。
その「夢ブログ」に対して御社に協賛していただいたのですが、まさにコカ・コーラ社は人の夢を応援する企業なんですね。
魚谷: 先日、日清食品の創業者会長の安藤百福さんの社葬に参加してきたのですが、お亡くなりになる前日まで社員に訓示をされていたそうなんです。96歳ですよ。いつでも夢を追いかけておられて、96歳の情熱を社員一人ひとりが分け与えられていました。 葬儀に参加させて頂けて、つくづく良かったと思います。ですから定年というターニングポイントを「定年退職しました、これで人生終わり」と思ってしまうのか、「まだまだやることあるぞ」と新しく夢を持ってチャレンジしていけるのかそれで大きく分かれると思うんです。 コカ・コーラ社ではそうでした、夢を持ってチャレンジしていく方々を応援していきたいですね。
山崎: 本当に最後まで、現役で活躍されるというのは、素敵なことですね。
私がシニアの専門会社を作ろうと思ったのは、長銀を退職して参画した米系コンサル会社ベイン&カンパニーの時代でした。アメリカやヨーロッパではシニアの方々が非常に生き生きとしており、文化施設やバーなどでも若者たちと同じように楽しんでおられる姿を目の当たりにしたのがきっかけでした。日本も年を重ねることが楽しくなるような、素敵だと思えるような社会を創っていかなくてはならないと強く思いました。
魚谷会長もアメリカでいろいろご経験されたと思いますが、日本のシニアを取り巻く環境はどのようにお感じになられますか?
魚谷: 年齢の高い人を敬うというのが、まだ日本には存在していますが、ある意味では「お年寄りだから、こういう風にしなきゃだめだ」とか、何か新しいことにチャレンジするような機会にも「歳だから」という言葉が出てきたり、ネガティブにもなってしまっている。老いてこそ「やれる」と言えるような社会でないといけませんよね。 |