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日本企業のトップを直撃! シニアコミュニケーション社長 山崎伸治対談 シニア型社会への指針

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第10回対談 ノンフィクション作家 吉永みち子さん

団塊世代は、個人でどう生きるかを追求していくべき。衰えることを受け止める力も必要。(1/2)

ノンフィクション作家 吉永みち子さん


吉永みち子さんは1950年生まれの団塊世代。1985年「気がつけば騎手の女房」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した後も、「子ども」「政治」「女性」など幅広いテーマで作品を発表し続けています。2006年には「どこゆく?団塊男 どうする!団塊女」で、同世代に向けたメッセージを発信。これまで「塊」として捉えられてきた自分達を見つめ直し、今後の人生を「個」として生き抜くためにさまざまなケースをシミュレーションしておこうと呼び掛けています。作家活動のほか、政府税制調査会、地方分権改革推進会議の委員などを歴任し、テレビでコメンテーターとしても活躍する吉永さんに、団塊世代のこれまでと未来をうかがいました。

個性がないことを認めたくない。
それこそが団塊世代の個性。

山崎: 「どこゆく?団塊男 どうする!団塊女」ではさまざまな取材をされたことと思いますが、今、団塊世代に対してどんな印象をお持ちですか?

吉永: ユニークな人が多いと思っていましたが、意外とそうではないんですね。塊の中で力を発揮する人たちであり、個性的でありたいと思ってはいるけれども個性的でない人が多い。でも実は、個性的ではないからこそ、すごい力が発揮できたのではないかと感じています。一斉に働くことで高度成長期を支えたのは団塊世代ですからね。

山崎: 弊社のサイトではランキングに人気が集まりますが、同世代の意見には非常に敏感でいらっしゃる。周りを気にしていないと言いながら、ものすごく周りを気にしている人たちなのかもしれません。しかし個性的でないとすると、リタイア後に何をするべきか分からないという人も多いのではないでしょうか。また、全員が一気に流れに乗るようなことが今後あるのでしょうか。

吉永: できないことをできるように、狭いところをこじ開けて、何とか前に進むんだ、という生き方を今まではしてきた。そういうエネルギーは抜群のものを持っています。でも、そういうものがないところに放り出されると佇まいが決まらないんですね(笑)。リタイア後というのは団塊世代にとって一番苦手な場所かもしれません。 それに、例えば受験とかポスト争いでは一斉に取り組んできましたが、年齢がここまで来てしまうと、みんなが一斉にというイベントがもうないんです。つまり、あとはそれぞれがバラバラに死んでいく。初めて一斉ではない局面に立たされるわけです。団塊世代は、こうなってみて初めて個人の強さが試されるんだろうと思います。

山崎: 団塊世代の男性と女性では、何か違いがありますか?

吉永: 男性は体制の中の原動力として無理なくやってこられたのではないかと思います。しかし、女性は男女平等と言われながら、チャンスが与えられなかった。
しょうがないねと言いながら、猪突猛進の男達を支えるような人生だった。しかし今、やっとすべてを振り払って、スタートラインに立てるのが女性でしょう。何かを突き破っていこうとするエネルギーは女性の方が大きいような気がしますね。

団塊世代の将来から見える日本の未来。10年後を見据えて、“今”を考える重要性

山崎: 団塊世代のこれからはどうなっていくのでしょう。また自信を取り戻してやっていくのか、日本の中でどんな位置を占めるのか。どんなふうにお考えですか?

吉永: あと20年生きるとして、前半の10年と後半の10年を分けてみると、あとの10年は相当悲惨なことになるのではと心配しています。どういうことかと言えば、私たちは未来に不安はあるけれども、実際は何とかなるだろうと思っている。しかし現実は、私たちの経済力がなくなっていくときに、子どもが少なくなって社会が弱まってきた。社会が強ければこの巨大な塊を支えてもらえるけれども、支えてくれる子どもはこっちが支えている状態。しかも数のバランスが悪い。このままでは国が破綻するか、国につぶされるか。 今、団塊世代は子どもを背中に乗せている場合ではなく、早く降ろして子どもを自立させて、前期10年を身軽にしっかり生きなきゃ!

山崎: 確かに高齢化社会と言っているわりに政府は手が打てていません。

吉永: 10年後はこうしますから安心してくださいという長期計画を国として打ち出してほしいですよね。10年後に目指すものを考えて、そのために今何をしたらいいのか、そういう発想が必要なんですが、ほころびを繕うことに手一杯というのが現実ですからね。 年金も医療も不安だらけという現実の中で10年後がどうなるかわからないから、不安でお金を持っていても使えない。

山崎: 特に健康に対する不安と将来お金が持つかという不安はどうしてもぬぐえないようですね。

吉永: 不安の根本は、個の生き方が定まっていないことにもあると思います。これからは一人になる時間を大切にして、個人でどう生きるかを追求していくべきでしょう。今までは塊の力を発揮してやってきたけれど、これからは一人で死んでいくわけですし。 活性化する前に一度は自分を沈静化させて個人の生き方をじっくり考え直した方がいい。そして、これだけはやろうという人生のワンポイントを自分の力で探さないといけないと思います。 仕事が終わってから1年ぐらいかけて自分はどうしようとゆっくり考えたらいいと思いますが、「定年後は妻を大事にしよう」「ボランティア活動を始めよう」「ご近所のネットワークをつくらないといけない」と、この世代はどうも落ち着きがないんですよね(笑)。

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