
山崎: 団塊の世代の定年退職が始まった今年は、今まで以上にシニア世代へ注目が集まっています。小森社長は、現代のシニアをどのように見ていますか?
小森: 今のシニアは昔と違って、元気で活動的な現役選手ですよね。見た目ひとつを取り上げても非常に若々しい。ただ、私としてはそれ以上に、「日本社会はとてもカラフルになったなあ」という感慨が強いんです。ヤングとかミドル、シニアといった年齢層による「切れ目」が見えにくくなって、どんどん個人差のほうが大きくなっている。千差万別、皆が違った色を持って生きているように見えます。
山崎: なるほど言われてみると、たしかに「カラフル」な社会になってきましたね。若々しいシニアが増えたりして、年齢層の間の切れ目や溝が薄まった反面、個々人の色合いの違い、つまり個性や嗜好性などの違いは、どんどん広がっています。
小森: シニアコミュニケーションの調査結果なども参考にさせてもらっています。例えばインターネット利用についての調査結果などを見ると、本当に驚かされる。シニア層がどんどんパソコンやインターネットを活用して生活していることを知らされると、「いわゆる昔流の"お年寄り"として捉えてはいけないな」と感じるんです。商品を企画するうえでも、「シニア向けだから○○。若者向けには□□」という考え方ではなく、もっと「カラフルな人たちを相手にするんだ」という発想、気構えが必要な時代が来たと思っています。
山崎: 小森さんは経営者ですから、消費者としてのシニアだけでなく、社内にいるシニアやシニア予備軍との関係も意識しなければいけませんよね?
小森: そのとおりです。「シニアのお客様とどう向き合うか」に加えて、「社内のシニアとの向き合い方」も大事な課題だと思います。幸いなことにクラシエには120年に及ぶカネボウとしての歴史・伝統があります。工場には非常に怖い頑固オヤジがいて(笑)、そういう人たちが素晴らしい技術を伝承してきてくれました。これからも、そのつながりが途絶えないようにしたいと考えています。一方で、仕事に厳しい頑固オヤジが退職後どうしているのか、というのも気になります。
山崎: 興味深いですね。何かOBとのつながりがあるんですか?
小森: 「鐘友会」という、OBの会があります。会員には「元・頑固オヤジの80歳」なんて方もいるわけです(笑)。そういう方々が、今どんな暮らしをしているか聞きますと、実にカラフルに人生を花開かせていらっしゃるんです。仕事に注入してきた頑固さを、趣味に活かしている人が多いんですよ。
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