 
山崎: 私たちシニアコミュニケーションでは、「シニア」という言葉を「人生に熟練した大人」という意味合いで捉えています。たいていの必需品や日用品はすでにひととおり持っていて、それぞれの「モノの価値」についても、しっかりとした基準を持っている大人。それが、シニアなのだと考えます。 田社長はどうお考えでしょうか?
田: 私たち 田酒造の仕事は、文字通り酒を造ることです。酒はそもそも大人の世界を形づくるものですから、昔から「大人とは何か」という自問自答を繰り返してきました。例えば子どもの目線で「大人」の存在を考えてみると、これはもう完全に「別世界」なんですね。子どもには手が届かない、ある種の憧れを抱かせるような別世界を持っている人たちが、カッコイイ大人なのだと思うんです。今は物質的には豊かになりましたが、少し前の時代のほうが、大人たちはそんな別世界を築いていたのではないか、と考えることもあります。こだわり、あるいはポリシーというものを頑固に貫いている大人が、かつてはたくさんいた。道行く頑固親爺を恐ろしく思いつつも、どこかカッコイイと思っていたりしましたよね(笑)。
人ばかりではなく、場についても同じことが言えます。例えば昔の銀座は、完全に大人のための街だった。「若い者はお断りだよ」というムードが、むしろ若者の憧れを呼び起こしていました。「安い物なんてここでは売ってないよ」という別世界の高級感が、銀座の魅力だったと思います。
山崎: 別世界という発想には大いに共感します。かつては「若い連中にはわかるまい」的な気高いムードを感じさせる大人が多かったし、私自身もそういう大人に憧れのような感覚をおぼえました。ただし、「今でもそういう大人はちゃんと存在している」と信じてもいます。だからこそシニアコミュニケーションでも、「50歳未満お断り!
STAGE」というサイトを作ったんです。大人しか入れませんよ、という想いの表れとしてです。これも1つの別世界ですよね。
田: 私もそうしたサイトの話などを聞いて、「ああ、この人たちはカッコイイ大人が楽しめる仕組みを作っているんだな」と感じました。もう一度、新しい別世界を創ろうとしている。
だからこそ、シニアコミュニケーションさんとのコラボレーションに乗り出したんです。
過去から続く善き伝統を大切にしながら、時代に適合した「カッコイイ大人」像を一緒に追いかけて革新を起こしていける。そう思いましたよ。
山崎: ありがとうございます。ところで、 田さんが考える「これからの大人」とは、どんなイメージでしょうか? |