山崎: お酒の飲み方にも、いろいろありますね。若い飲み方もあれば、カッコイイ大人の飲み方もある。
田: そうです。酒を飲んで酔っぱらいたい、というのが若い飲み方(笑)。もちろん、そういう飲み方があってもいい。けれど、もう少し成長すると「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」という標語ではないですが、ルールを守ってほどほどに楽しむ、という大人の飲み方になる。では「カッコイイ大人の飲み方」は何かというと、例えば故郷やこれまでの人生を振り返ったりしながら、人生を語って飲む、というような飲み方ではないかと思うのです。人生を一人語りできる酒や酒場。それを今のシニアは求めているはずだと思う。
山崎: そうした考え方で生まれたのが「なゝこ(七古)」でしたね。シニアコミュニケーションもお手伝いして創り出した焼酎ですけれど、 田さんは最後まで日常性と工芸性のバランスというものにこだわっていました。
田: 田酒造では「斉彬の夢」という本格焼酎も造っています。伝統に則った蔵でよみがえらせた本格焼酎を、薩摩切子のボトルにつめてご提供しています。これも1つの「大人の酒」だと自負はしていますが、今の時代のシニアにとって、より身近なカッコイイ酒を造る必要性をずっと感じていました。伝統性のみならず、革新性も備えていなければいけない。工芸性も大事だが、あまり日常からかけ離れていてもいけない。大人が気持ちよく人生を語れる酒として、バランスを重視していたわけです。だから日常工芸品的な本格焼酎として「なゝこ(七古)」のプランが固まった時には、「よし、これしかない」と確信できました。
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