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日本企業のトップを直撃! シニアコミュニケーション社長 山崎伸治対談 シニア型社会への指針

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第11回対談 株式会社ティップネス 代表取締役社長 吉田光男氏

「健全な精神は健全な肉体に宿る」(1/2)

株式会社ティップネス 
代表取締役社長 吉田光男さん

急速な高齢化や医療費負担の増加などを背景に、シニアの健康志向は高まりを見せています。平成18年家計調査(総務省)によれば、世帯主が60歳代の世帯は「スポーツ施設使用料」が他の年代に比べ2倍から8倍多いというデータもあり、自分の健康を気遣い、フィットネスクラブに通うアクティブなシニアの姿が浮かんできます。
フィットネスクラブ大手の株式会社ティップネスは、1986年創業。健康で快適な生活文化を提案しながら、毎年順調な成長を続けていらっしゃいます。自らも団塊世代という吉田光男社長に、これからのシニアの健康とフィットネスについてお話をうかがいました。




会員の平均年齢41歳。シニアは優良なお客様。

山崎: 御社のフィットネス事業ですが、他社に比べると都市型の若い人に主に支持されているという印象を持っています。最近はいかがでしょうか。

吉田: もともとはそうでした。弊社は創業から20年を超えましたが、実は会員さんの年齢層は年々上がっていて、現在は平均が41歳。毎年0.7歳ずつ上がっています。 今、約20万人の会員さんに利用していただいておりますが、50歳以上の方の割合は30%、40歳以上では50%を超えます。 フィットネスは若い人がやるものという、みなさんのイメージとは少しずつ違ってきているのが現状ですが、それでも大手総合フィットネスの会社の中では、弊社の会員さんの年齢構成は一番若いようです。

山崎: 団塊世代へ向けた取り組みも、いろいろとされているのでしょうか?

吉田: 実は私自身が1948年生まれの団塊世代の真ん中。ですから、この世代の特徴は肌でわかるのですが、まずはとにかく数が多い(笑)。3年間で約800万人ですからね。その分、いろいろなタイプがいますので、どこにターゲットを当てればいいか、これがやはり難しいところです。たくさんのシニアがご利用くださる業界になりましたが、団塊世代を対象にした場合には、何をどうすればいいのか、いつも悩んでいます。

山崎: ビジネスとしてとらえたとき、50歳以上の会員の方の特徴というのはどんなところにあるのでしょう。

吉田: 積極的な施策を打たなくても、健康志向の高まりやメタボ対策など社会的な流れもあって増えていくという印象はあります。私たちの業界では、平均在籍年数を一つの重要な指標ととらえていますが、50歳以上の方は4年以上在籍していただける。30代では2年です。当然、長くご利用くださる方が私たちにはありがたいわけですが、フィットネス業界は厳しい競争の中にあっても、こうした世代に支えられて、これから10年はまだまだ成長できるビジネスだと思っています。

山崎: 長くご利用くださるだけでなく、シニアの場合は友人・知人をご紹介してくださることが多いのではないかと思います。そういった意味で、シニアのお客様は、獲得コストはそれなりにかかりますが、維持コストの面では非常に優良な「顧客生涯価値の高い」お客様だと言えると思います。

吉田: おっしゃるとおりですね。
ただ、シニアの方々のみを別枠にして何か策を打っても、おそらく長続きしない。そういうやり方ではシニアの方も喜ばないと思います。シニアだけを別枠として対象にするのではなく、30代40代の人と一緒に楽しめる施設作りに取り組むことが重要ではないかと感じています。

「現役」とか「OB」とかは自分で決めること。体力・精神が若ければいつまでも「現役」。

山崎: 確かにシニアの方は、同じ年代だけで囲われるのを嫌がります。

吉田: とりわけ団塊世代はそうかもしれません。母数が多い分、いろんなことを考えるいろんな方がいる。団塊世代は保守的とか頑固とか言われることもあるようですが、簡単に一つにくくれる世代ではない、と私は思っています。

山崎: 今後、団塊世代のリタイヤがさらに進むと、どんな変化が起こると予想されていますか?

吉田: 今までは仕事も暮らし方も60歳が一つの区切りだったと思いますが、今は精神的にも肉体的にも65歳ぐらいが区切りの年齢になってきていると感じます。今の65歳は昔に比べれば、柔軟に物を考え、情報量も豊富、体も動かせる。今後、1950年代生まれが60代の中心になったときは、更に区切りが10年ぐらい伸びるのかもしれません。
区切りがいくつになったとしても、『現役』とか『OB』とかは自分で決めることだと思います。心と体が若ければ、いつまでも現役です。私自身は、60歳になってすぐにリタイヤしようとは思っていませんし、みなさん、そう感じておられるのではないでしょうか。

山崎: 調査をしてみると、70歳でラインを引いている方が多いです。たとえば、「アフリカのように移動も旅程も体力を要するようなところに行くなら70までに行きたい。70を過ぎると行きたくても体力的に厳しくなる」と考えています。そして、70歳を過ぎたら少し緩やかに過ごしたいと考えているようです。おっしゃるように区切りの年齢は確実に伸びているようですね。

吉田: 自分自身は、75歳までは動けると思っています。無報酬・手弁当でいいので、平日は社会にある程度関われることをやって、土日や祝日は休む、そんな生活を続けていければ75歳までは動いていられるだろうと。
要は「オン」と「オフ」を持ち続けることでしょう。リタイヤしたからといって全部オフにしてしまうと、心が弱って老け込んでしまう。心はやはり大事であって、そうした健全な心を維持するために運動する。メタボ対策も大切ですが、「心」と「運動」の関係性にも着目し、しっかりと「心」の健康づくりにも寄与することが、フィットネス業界にも求められていくのかもしれません。

山崎: 実際に、50歳から70歳くらいの会員の方はどんな運動をしてらっしゃるのでしょうか。

吉田: 現在のところ、特定の年代だけを対象にしたプログラムというのは実はないんです。運動の強弱や難易度、あるいはバリエーションを変えたりしています。また、エアロビクス、ヨガ、ピラティスなどのメニューも取りそろえて、曜日と時間帯でいろいろ選んでいただけるようなプログラムにしています。
それぞれの年代ごとの利用時間の特徴があって、シニアの方は午前中、午後は子どもが学校に行っているお母さんたち。夜や休日はビジネスマンやOLの方々が利用されています。時間帯ごとにさまざまなプログラムをご用意していますが、先ほども申し上げたように、同じ年代の人だけ集めてもいけないと感じていますので、よく研究しながら改善していこうと考えています。

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